無料キャンペーン中にXでつぶやいていた、チョイ裏話を公開してるよ!
ネタバレも混じってるので注意!
「よっしゃ! じゃあ第二部20巻まで、第三部25巻まで!」と、大風呂敷を広げてはじめることになりました。
実際には第二部と第三部は混ざりましたが、おおむね想定どおりに進行していますね。
第一部では、書いている巻と、せいぜいその次の巻のことしか考えずに書いていたのだけど、 第二部では、第三部の遠いゴールへ向けて、物語全体がゆっくりと進んでいくように、でも各巻でも山場が出るように構成しています!
なので第二部は、物語開始時点ですでに水面下でいろいろなものが動きだしており、巻を追うごとに皮を剥くように、それらが見えてくる作りになっています。
全員、背景を持っていますが……一番先にそれがわかるのは、我妻総一朗だ!
総一朗は、はじめは、「大翔たちの先輩になる、鬼祓いのプロみたいなキャラがほしいな」と思って登場させました。
実際どうだったのかは…どうなんだろうな…。まぁおまえは頑張ってるよ、総一朗(何)
大人の女性にばかり好かれている印象があります…。うん、縁の下の力持ちの良さは、小学生には早いよね…。でも結婚すると一番幸せにしてくれるのは、たぶん総一朗だよ…。小学生…。
そんな巻になります! もちろん襲われます!🧟♂️
当初イメージは「犬鳴村」などの村ホラージャンル! 閉鎖的でじめっとした空気の村のなか、いわく恐ろしい因習があったり、カルト集団が跋扈してたり…恐ろしい事態に巻きこまれる! みたいなイメージでした。
光哉は第二部のキーキャラクターで、裏の主人公ともいうべきキャラ。
コンセプトは、「もうひとりの大翔」。
その意味は語りませんが、最新22巻『かなしき鬼との約束』でようやくそこへたどり着けました…。
最新刊でようやく、ちゃんと話してくれたかな…という感じですね。
今巻は、大翔たち子供チームと、紫鬼たち鬼チームの、結界石争奪戦が開幕する巻になります!
第一部では意図的に、「鬼はどこからやってくるのか、その意図は?」といった点には触れませんでした。
元々の着想が、「児童書でデスゲームやってみよう!」だったからですね。(当時はなかったんだってば!)
ゲームが大事なのであって、主催者の意図や正体はまぁいいじゃん、というスタイルです。
第一部でそれはやりきったと思ったので、第二部では、主催者(鬼?)の正体を明かした上で、「地上と地獄をつなげる通り道を、再封印できるか? / 邪魔できるか?」、子供たちと鬼たちで競争する物語に舵を切りました。
そんなわけで14弾では、大翔たちの大先輩として、キーチという男の子が登場します。彼も小学校で鬼ごっこに巻きこまれていますが、1巻での大翔たちとはちがった運命をたどっていたようです。キーチに使命を託されることで、大翔たちは動きはじめます。
そこにあらわれるのが、鬼たちの総大将・紫鬼。12弾、13弾では名前だけだったのが、この巻で満を持して登場します。鬼なのに会社を経営し、いつも忙しそうにしている、スーツとネクタイに身を包んだ、イケメンエリートビジネスマン。みもりさんの描く紫鬼はダンディです…。
ちなみに第二部開始当初の紫鬼の姿のイメージは、「メガネをかけたオオトカゲ」でした。さすがに会社を経営するなら人間形態になってもらわにゃ…ということで変えていますが、部下の腕輪の模様がトカゲだったり、鬼化後に爬虫類っぽいのはその名残です。
紫鬼のコンセプトは、「人間の大人みたいな鬼」。黒鬼のように悪戯心などはなく、計画的に粛々と行動する鬼です。おかげで大翔たちからなかなか敵の手のうちが見えず、作者としては困りましたが……巻が進むうちにだんだんと、彼の恐ろしい計画も浮かびあがってくるのでお楽しみに!
ちなみに紫鬼は、人間に鬼の存在がバレないようかなり注意して行動しており、大翔たちと会うのに道路封鎖したり、事後は警察への通報まで確認しています。警察への通報の確認? どうしてそんなことができるかは…18巻『信じてはいけない地獄警察』をお読み下さい!
また、紫鬼の経営するホールディングスの傘下には、都市計画にたずさわる企業が多く、
「子供のための住みよい街づくり計画」
「桜ヶ島タワー(電波塔)の建設」
「街のゆるキャラ『ぱくぱく様』の企画考案・グッズ販売」
「育児に悩む親たちを支援する組織『紫の会』への出資」
など、桜ヶ島市と組んでいろいろな事業をやっています…!
このころの紫鬼はそのために、分刻みのスケジュールで大忙し!
そうした地道な努力がどう実を結ぶかは、20巻『街をむしばむ地獄計画』、21巻『街をとりもどす地獄革命』をお読みいただければ…!
まぁ、紫鬼がやらんとしてるのは、ようは理想のための「国盗り」で、そのために、「進軍ルートの確保(鬼門の解放)」 「前線領土(街)の確保」 「必要な食糧(子供)の調達と管理」 を一気通貫でしようとして行動しているのですね。 桜ヶ島を確保した上で、霞ヶ関に侵攻しようとしています。
そのへんは、「子供の冒険を描く」という児童書の範囲から外れないよう、大翔や光哉たちの目線からはわからず、断片のみ見えるようになっています。ちなみに紫鬼は孫子の「兵法」で戦略の考え方を学んでいるのですが、20巻で章吾たちが発見した紫鬼の本棚を見てみると…? 本棚には人物が出ます!
そんな有能な紫鬼なのですが、ゆいいつ苦手なのが、「ネクタイを結ぶこと」! なぜ人間はこんなものを着けるのか、ぶつぶつ文句を言っています。しかし最新22巻では、ついにネクタイの便利さに気づいたらしい! いったいどんな使い方!? 『かなしき鬼との約束』にてぜひ!
『知力、忍耐力、運、運動能力』を試すそれぞれのゲームで、子供チームと鬼チームが、選手を出しあって勝負するお話です!
この巻は、人喰い鬼との追いかけっこというより、まさしくゲームの巻になります。部屋ごとにテーマが設定されており、ゲームのルールが説明されて、選手を出して勝負して、勝てば次の部屋へ進むことができる。最後の部屋までたどり着けばゴール! 幽遊白書の四次元屋敷の影響を受けていますね。
この巻の鬼としてだれを派遣するか、紫鬼は結構悩みました。部下のXと組ませた鬼たちの、モチベーションの低さに悩んでいたのです。愚鬼は勝手に人間食べようとしてるし、不死者は自分たちのやりたいことやってるし、狼頭鬼も命令された仕事をただこなしている、といった様子で。 鬼の…下請け化…!
これは紫鬼が忙しすぎて現場をXに任せきりにしていることや、Xが人間なので鬼たちに舐められていたり、紫鬼に優遇されていることへの反発があったりと……いろいろ複雑な事情があったりします。 組織運営というのは大変なのね…😓 紫鬼もちょくちょく愚痴っていたりします…。
そこで事態を打開するべく、紫鬼は青鬼から人材をスカウトしました! そうしてやってきたのが今巻の敵キャラ……『青髭男爵』だ! 色の名前を冠されているのは、色鬼に認められた一流の人材の証だぞ!
「一流の鬼とは、あつかいづらさもまた、一流なのでございます」
あ、こいつもダメそうだ!
そんなわけで青髭男爵は、登場早々、「命令なんてどうでもよろしい」と言い放ち、自分の趣味である『子供との命を賭けたゲーム』を開始したのでした。…かわいそうな紫鬼! でも、自分の楽しみを優先しつつも、最終的にはきちんと仕事もこなしているあたりは、結構オトナな鬼ですね(?)
青髭男爵は、ゲーム狂。黒鬼のように相手が追い詰められるのが好きなのではなく、ゲームというものそれ自体へ偏執的な興味を抱いている「行き過ぎた求道者」です。ゲームがより高みに昇華されるためなら、自分の命も含めたすべてのものを小道具にします。
こうした行き過ぎた求道者には、生まれつきではなく、人間から鬼になったタイプが多く、9巻の『叉鬼』もそうだったりします。 彼は狩りの理想を追い求め、他人の命すらそのための背景と見なすようになって、鬼となりました。くわしくは『ねらわれた地獄狩り』にて!
ちなみに青髭男爵はこの巻だけでなく、渋谷スクランブル交差点のオーロラビジョンを乗っ取って、都内全域を使ったゲーム勝負もしかけてきます。 渋谷、原宿、秋葉原、そして東京タワーを使ったゲーム勝負については、19巻『招かれざる地獄ハロウィン』をお楽しみください!